私たちの「小さいサイズ」への想いとこだわり。
2021.11.16
こんにちは、婦人靴専門店のレディースキッドです。
私たちは、「小さいサイズ」と言われる、20cm-22cmのサイズの靴を扱って40年近くになります。
今や、池袋にある3階建ての店舗の地下1階すべてが、「小さいサイズ」の靴で埋め尽くされ、国内でも珍しい、小さいサイズ専門フロアとなっています。
しかし、最初から、これほど多くのラインナップを持っていたわけでは決してありません。
小さいサイズを扱うたった1棚からのスタートでした。
ここまで拡充してきたのは、
「合うサイズがない」
「足が小さいと気に入るデザインになかなか出会えない」
とお悩みの、お客様の声あってこそです。
この記事では、私たちが、どうしてここまで「小さいサイズ」にこだわるのか、どんな点に実際にこだわっているのか、をお伝えしたいと思います。
【本記事のポイント】
・小さいサイズの方のお悩み… そもそも履けるサイズがない!
・だからといって、大きくてぶかぶかの靴を無理して履いていませんか?
痛い・疲れる・脱げる、脚が太くなる… などなど足のお悩みはそのせいかもしれません。
・特に、足が小さい方は、より足のツラさを抱えやすい。
その理由は…?
・それなのに「小さいサイズ」の靴が増えないわけ。
・中敷きを使えば大丈夫!と思いきや・・・。
・レディースキッドの「小さいサイズ」へのこだわり。
小さいサイズの方のお悩み・そしてお怒り:そもそも合うサイズがない!
キッドに来店してくださる足の小さい方には
「私のサイズで気に入ったデザインの中からこんなにも選べるなんて嬉しい!」
という点を喜んでいただくことが多いです。
一般的な量販店では、22.5cm~の取り扱いが一般的で、かつ、中心となるサイズ帯は23.0cmや23.5cmになります。
20cmや20.5cmなど足の小さい方にとっては、自分のサイズの靴を見つけること自体が、そもそも難しいのです。
もっと専門的なことを言えば、今お話ししているのは、足長といって、かかとからつま先までの「長さ」になります。
足への合う・合わないを決める要素は、ワイズと言われる足の「幅」や、甲の「高さ」など、他にもあり、足長だけですら寸法の合う靴を見つけるのが難しい小さい足の方の、本当の意味で足に合う靴との出会いを、これがいっそう難しくしています。
▼足のサイズについてもっと詳しく知りたい方はこちらをクリック
小さいサイズの方あるある:大きくてブカブカの靴を履かれている
「緩いだけで、足は入るから」、「気に入ったデザインだし」と、ご自身のサイズより大きいものをついそのまま履かれている、というお客様と多くお会いします。「大は小を兼ねる」という言葉がありますが、靴屋として言わせてもらえば、「大は小を兼ねません」。
小さいサイズの方が、ブカブカの靴を履くことで、緩くて脱げる、疲れる、痛い、こうした目に見えるお困りごとが出てくるのはもちろんのこと、実はご自身ではなかなか気付きづらい身体への影響も出やすいのです。
だからこそ、靴屋である私たちとしては、小さいサイズの方にも、ご自身に合ったサイズの靴を履いていただきたい、と願っています。
ブカブカの靴を履くことで…
・足が痛くなる (靴ずれ、小指が痛い、など)
・踵が脱げる
・歩くと疲れやすい、立ち仕事が辛い
・外反母趾など、足の障がいにつながりかねない
・太ももやふくらはぎなど、脚が太くなる
▼サイズの合わない靴による身体への影響についてもっと詳しく知りたい方は、こちらをクリック。
靴屋だけが知っている、小さいサイズの方のつらさ
足のサイズは人それぞれです。
なので、「履いた感覚」を他の人と比べることは難しい。
ですが、靴と足の専門家である、私たちは知っています、小さいサイズの方が抱えやすい、足のツラさを…。
①ヒールの負担ヒールを履かれる方は、長時間高いヒールを履いていると、だんだん足先がジンジンと痛くなり、足を地面に軽くつく衝撃すらも耐えがたくなる経験、されたことがあるのではないでしょうか?
特に足が小さい方、すなわち足長が短い方は、同じヒール高であったとしても、その分傾斜の角度がきつくなります。
小さいサイズの方は、同じヒール高でも、それだけ前足部に負担がかかるということになります。
②足のクッション性が少ない足が接地する際の衝撃や、靴と接する部分のあたりを、足の柔らかな部分である、脂肪層が間に入ることで、クッションとなってある程度は守ってくれます。
しかし、もちろん人にもよりますが、足の小さい方は、足の脂肪層も薄い方が多く、このクッション性が少なく、痛みを感じやすい方が見受けられます。
小さいサイズの靴、なぜ増えない?(怒)(泣)
ここまで、
✔︎ 合わないサイズを履くことによる身体への影響
✔︎ 特に小さいサイズの方に起こりがちなツラさ
を見てきました。「こんなに困っているのに…」「同じように足が小さくて、サイズが合わない人は他にもいるはずなのに…」それでもなかなか小さいサイズの靴に巡り合わないのはどうしてでしょうか?
ここには、靴業界の大人の事情が隠されています。
小さい靴は儲からない
まず一つは、ビジネス上の算盤勘定です。
当然ですが、市場規模が大きい方が、たくさん売れます。
日本人女性の平均的な足長は23cm程度であり、21.5cm以下の方は全体の10%もいません。(「足サイズ計測事業報告書」日本皮革産業連合会、平成21年)さらに、靴は実は大変複雑な構造になっています。
1種類のパーツを作って完成、ではなく、多ければ数10種類ものパーツの組み合わせでできています。
販売する靴のサイズを1サイズ増やすには、サイズごとに作る必要があるパーツも多く、そのコストが非常に高いのです。
コストがかかるのに、市場規模が小さく、経済合理性の観点で言えば、割に合わない、ゆえにメーカーもなかなか作らない(作りたくない、作れない)という事情があります。
小さい靴は難しい
それだけではありません。儲からないだけではなく、小さいサイズの靴は、製造も大変です。
「小さい」ということは、普通サイズよりも、より細かい仕事になるため、手先の技術が要求される、難しい仕事になります。
小さいサイズ用に合うパーツがないこともあります。
小さいサイズのパーツを作るにしても、全部のパーツを一律で小さくすれば良いというわけでもありません。
パーツごとに調整をしないとぴったりくる形状にはならず、良い靴を作るにはそのノウハウも必要です。
それにもかかわらず、熟練の職人は今もどんどん減り続けています。
言われがちなこと:「ゆるくても、中敷きを入れれば、大丈夫ですよ」
中敷きはもちろん、レディースキッドでも使用します。
どうすれば少しでも履きやすくなるか、足への負担が少ないか、考え抜いて、独自のインソールまでご準備しているくらいです。
中敷きを入れることで、甲の部分がピタッと合えば、そのままよりずっと良いのは確かです。
しかし、それで「バッチリです」とは絶対に言えません。なぜならば、中敷きを調整したとしても
✔︎ 幅の部分は狭くできない
中敷きを入れることで、ワイズと言われる足幅の部分が狭くなっても、調整されているのは、厚み方向だけです。
すなわち足を横から締めることはできていません。踵幅も細くなりません。
靴は長さ方向だけではなくて、足の左右の締まりや、踵の締まりなど、複合的に足を支えていますが、中敷きを入れただけでは、足の甲部分のフィット感が上がるだけで、足全体の安定性や固定性が高まるわけではありません。
✔︎ 靴の屈曲位置とずれる中敷きを入れても、靴の前足部と後足部の比率は変わりません。
そうすると、歩くときにくにゃっと曲がる屈曲位置も変わらないことになります。
中敷きを入れることで、足が踵部分にぴったりくるので、その分足が靴の中で、後ろ側に寄ることになります。
なので、小さいサイズの足の方が、本来曲げたい場所と、靴が曲がる場所にずれが生じることになります。
プレーンパンプスなど、足を覆う部分が少ない靴は特に、無理が大きくなることになり、「ブカブカだけれど、中敷きでなんとか合わせる」は、どんなに気に入ったデザインであったとしても、足のことを考えると、ベストな答えというわけではありません。
レディースキッドでの、小さいサイズへの徹底的なこだわり
✔︎ 20cm-22cmの小さいサイズを豊富にご用意
池袋の実店舗にて、地下1階をまるまる小さいサイズ専門フロアにしている他、専門のオンラインストアもご準備しています。
足長だけでなく、小さいサイズの方で幅狭の方から幅広の方にまでご対応するために、セミオーダーパンプスであるi/288も展開しています。
✔︎ 品質にこだわった靴のセレクト
本革・国産を中心にセレクションしています。
それ以外は扱わない、ということもないですが、革は耐久性が違い、品質を考えると、キッドでは革の商品が多くを占めています。
ただ、当たり前ではありますが、同じ素材を使ったとしても、同じものができるわけではありません。
キッドでは本革を素材の中心としつつ、かつ国内の熟練した技術をもった、信頼できるメーカーを選んでお付き合いをしています。
素材や作りが大事です、と言いつつ、毎日出かける時に履く靴は、気分をあげてくれるものでもあります。
靴を楽しんでいただくには、気に入ったデザインであることも大切ですし、様々なTPOに応じて必要なタイプも異なります。
デザインも重視して商品をセレクトしていますが、その際も、足の構造を支えられる靴のフォルムや剛性かどうかは、必ずチェックします。
自信を持ってセレクトした商品ですが、おすすめする時には、お客様の足に合わせてご提案をいたします。
硬い・柔らかいなどの足の特性やお悩みは人それぞれです。
お客様それぞれの足を拝見し、機能性を最優先すべきか、デザイン性にふっても良い部分があるのか、など、プロの目でご助言をしています。
✔︎ 靴を足に合わせる技術
先ほど、「サイズをしっかりご準備しています」と言いましたが、どんなにサイズが豊富といえど、それは所詮0.5cm刻みのものです。
人間の足は靴のサイズの刻み方に合わせてはくれませんから、調整技術を駆使しないと、いくら既製のサイズを探しても、きちんとは合いません。
例えば、パンプスの中で足がずるずると前滑りしないように足の前足部に厚みを足したり、足の骨が靴に当たるような箇所の革を伸ばしたりするような、基本の調整はもちろんのこと、足のアライメント(足の構造のことです)にアプローチする特殊なインソールを使ったりして、できるだけ靴をお客様の足に合うように調整します。
このように、
①きちんと小さいサイズの豊富なサイズ・デザイン展開をもち
②お客様のライフスタイルやご要望、デザインの好みをお伺いしつつ、身体や脚の特徴も踏まえて、足に合うサイズをおすすめし
③さらに、それを個々のお客様に合わせて調整する技術を有している
ここまでこだわっているからこそ、
「小さいサイズのお客様には、ぜひキッドへいらしてください」
と自信を持ってお伝えしたいです。
サイズ・サービス・スキルの各面から、誠心誠意、「合う靴のある生活」に向けて、店舗スタッフ一同サポートいたします。
足や靴のお悩みをお持ちの方は、ぜひ相談だけでも、お気軽にいらしてください。足計測は無料でお受けいたしております。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
少しでもお悩みや気になる点がある方は、以下よりご予約くださいませ。
経験豊富なシューフィッターがお待ちしています。
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